杉山さんが話し始めると、周囲が賑やぐ。お話の中に何人もの人が登場し、その息遣いでいっぱいに。人の中を生きていく人。そんな印象を抱いた。インタビューが始まると同時に、杉山さんは厨房スタッフが急遽早退することを同席していた社長に伝えた。自分のことを話す時間にまず、一緒に働くスタッフの報告から始まるのが、杉山さんらしい。
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「風が吹いた」という表現を、狩野さんは何度も口にされた。理にかなっていて、すべてが調和し生きるとき。思いがけない巡り合わせに運ばれたとき。風が入る感じがする。無理に道をつくるのとは違う。風を受けて、風を感じて生きる、そんな在り方がある。
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田中浩二朗さんは、サントアンに勤めてこの春で丸2年。製菓学校を卒業してから、ホテル、結婚式場、ケーキの卸し会社と様々な場所でパティシエとして修行を積んできた。この場所ではこの技術を身につける。そう目的を持って積み重ねてきた道だが、2年前には一度、諦めそうにもなっていた。
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「お客様が “ありがとう” って、そう言ってもらうのが一番ね、嬉しいので」
お話を伺う中で、笠井さんはこの言葉を重ねて何度か口にした。真っ直ぐに人をおもう人。一緒に働くスタッフの変化にもすぐに気がつく。
「今日顔色悪いね、どうしたん?」わざわざ踏み込んでは聞かない人もいる。それでも気づくなり相手に聞くのは「聞いてしまうんですよね、考えないでそうしちゃう。」という風に笠井さんは言う。でも、お話を聞いていたら、笠井さんの中に「何かあったら助け合う」この行動がベースにあるから、考えるよりも先に動いてしまうのではないか…そんな風に思えてくる。
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