コラム 2024,03


 

ついこの間クリスマスが終わったところですが、次のクリスマスに向けて動き始めています。熱が冷めやらぬ1月12日に今年最初のクリスマス会議を行いました。メンバーは固定せず、クリスマスをよいものにしたい人なら誰でも参加できる会議です。


 近年は、クリスマスをしないお菓子屋さんも増えてきました。普段通りの丁寧な仕事を大切にしている店、お客様と従業員の負担を減らす店、お店の数だけ信条があり方針があります。何を信じてどう生きるかをひとりひとりが選べる時代になりました。サントアンのクリスマス会議の中でも、そもそもクリスマスをやらないという選択もあるねんで。と伝えました。


 クリスマスをやる/やらないも含めて、どうすればよいクリスマスを過ごせるだろうか。私たちはクリスマスケーキをとおして、お客様に何をお届けしたいのだろうか。去年の反省、お客様からいただいたご意見やスタッフの感想などを共有しながら、大まかな方針を決めていきます。


 いつの頃からかクリスマスは特別なイベントとなって、家族や友人と一緒に過ごす食卓にクリスマスケーキが定着しました。そんな日にお召し上がりいただくケーキはやっぱり特別なものを準備したい。年に1度の大掛かりでハードなイベントだけど、スタッフ一人一人の持ち味が最大限活かされ、力を合わせるお祭りみたいなもの。とみんなが意欲に満ちていました。


 どんなケーキを何種類、何台作ろうか?当日販売のカットケーキを作るか作らないか。予約のみにするか、予約がなくても当日買えるケーキも用意するか。スタッフの間で意見が分かれました。持っている情報、優先したいことや前提の条件がみんな違うからです。


 迷った時は、いつも理念に立ち戻ります。サントアンの経営理念「よりよいお菓子で人と文化を育む」を一つ一つ分解していきます。よりよりお菓子ってどんなお菓子?人って誰のこと?文化ってなんの文化?育むって具体的にどういう行為のこと?そんな話をみっちり3時間話し合いました。


 よりよいお菓子は、これまでよりもさらに品質のよいクリスマスケーキ

 人は、お客様や従業員をはじめとするサントアンに関わる全ての人

 文化は、今回の場合は、よいクリスマスを過ごすこと

 育むは、大切にする、支える、積極的に関わること


 会議に参加していたスタッフがつぶやきました。「これってクリスマスに限った話じゃなくて、いつも大切にしていることだよね」自分たちがいつも大切にしていることを前提にしたら、やることとやらないことがハッキリと見え始めました。


 ▪︎2025年クリスマスから完全ご予約制にします。

 お客様の満足、スタッフの負担軽減、フードロスや計画的生産の観点から、2年かけて周知を進めてクリスマスケーキを完全ご予約制に移行していきます。


 ▪クリスマスケーキのラインナップを厳選します。

 品質とお客様のご要望と作る人の負担を考慮した、中間のちょうどいい種類まで減らします。引き続き、クリスマス期間中(12/23~25)のカットケーキ販売をお休みします。


 ▪生産台数に上限を設けます。

 スタッフも家族や友人とクリスマスを過ごせるように上限台数に達したら売り切れ御免にして夕飯の時間に間に合うように帰ります。


 クリスマスの記憶が新しいうちに互いが思っていることを話し合い、同じ行き先を目指すための大切な時間になりました。お客様とサントアンに関わってくださる全ての人がよいクリスマスを過ごせるように、みんなの喜びが最大限に重なるところを模索し続けます。