サントアンレポート2024.09


西日本洋菓子コンテスト2024 ② 藤本美南

 先月号に続き、今月号では西日本洋菓子コンテストのマジパンデコ部門に出場した河野さんと高次さんを紹介します。

 マジパンデコ部門では、デザイン性や色使い、全体のバランスはもちろん、繊細な仕事ができる技術力や集中力を持っているかが判断されます。テーマは決められておらず、独自のストーリーをマジパンで表現できます。

 初出場の河野さんの作品のテーマは「寿」。苦手なことでも挑戦するという前向きな思いが込められています。人形の優しい表情と桜の木で表現した満開の「寿」の文字から、これから家族が増える喜びと2人の時間を温かく過ごす幸せな空間が伝わってきます。

 今回で2回目の出場となる高次さんの作品テーマは「勝利の記念撮影」。月桂樹の葉からオリンピックの表彰台を表現し、全体の明るい雰囲気と人形の躍動感は見ている人の想像力を掻き立てます。今までの暗い色使いに対する指摘にきちんと取り組み、納得できる物作りがしたいという思いが込められています。

 コンテストに出場したことで、表現力や世界観など作品のどこを見て欲しいのかを考えながら作ることがお菓子作りに生きる事、食べたくなるような美味しそうに見えるマジパンらしさを表現できるかが大事だと2人は話していました。

 コンテストに出場したみなさんを見て、他の作品の細かい工夫に気づいたり、日常生活からヒントを得たりと新たな発見や学びがあったんだと感じました。また、お菓子作りを楽しむことや、自分から外の世界を知ろうとする姿勢にとても刺激を受けました。

 コンテストは自分が作りたいお菓子を表現でき、表現するための技術を磨くことができる場所です。この活動がサントアンの味やクオリティの底上げに繋がっています。

 サントアンのコンテスト活動はこれからも続いていきます。店頭や会場で作品を見かけられた際には、パティシエたちのモチベーションに繋がるためご意見やご感想を頂けたら嬉しいです。出場者のみなさん、お疲れ様でした!