コラム 2025.9


アニーバーサリーケーキ ~家族との思い出~ 文章: 田中佐知子


 私がサントアンと出会ったのは一体いつだろう?


 初めて買って食べた、サントアンのクリスマスケーキ。見た目は、よくあるケーキだった。姉家族と食べようと、いつもより大きめなものを買ったのだが、ケーキを持ってびっくり!

「えっ、ケーキってこんなに重たいの⁈」ドキドキワクワクした。切ってみると、苺が丸ごとと言っていいくらい大きくゴロゴロ入っていたのだ。思わずみんなで笑ってしまった。苺もケーキもチョコクリームも美味しくて、お腹も心も満たされた楽しいクリスマスになった。あの時の感動は、今も忘れられない。


 福岡県太宰府市から兵庫県三田市に引っ越した2004年4月。当時サントアンは創業16年になっていたが、もちろん私は知る由もなかった。その後、そのクリスマスケーキを教えてくれた友達の紹介で、偶然にも働くこととなる。ここから、サントアンのアニバーサリーケーキは我が家のイベントには欠かせないものとなっていく。


我が家の一番人気「苺のナポレオンパイ」

 パイ生地とスポンジ、サントアン特製カスタードクリームと苺をたっぷり使ったケーキで贅沢極まりないものだ。子どもたちの運動会に、九州から来ていた両親にぜひ食べてもらいたい。ちょうど誕生日だった、ゴージャス好きのお義母さんにぴったりで、久々に会う孫や息子にお祝いしてもらって、とても嬉しそうだった。2人の娘が小学校を卒業するまでの9年間、毎年来てくれていたのも今となっては本当にありがたく思う。


よく登場した「コパン」

 チョコスポンジに生クリーム、真ん中にはバナナ、それを巻いて上には苺を乗せたロールケーキ。このケーキを知ってから、我が家に「バナナとチョコは最強」説が生まれた。

 「ますますの成長を祈ってます パパより」当時、大学4年、卒業を控えて就職も決まっていた長女に向けて、単身赴任7年目の夫に考えてもらったメッセージプレートの言葉だ。堅苦しくて、今思い出しても笑ってしまう。単身赴任が長かったせいか、娘たちとの付き合い方がぎくしゃくして大変だった時期を思い出す。


娘のための「チョコクリームとバナナだけのデコレーションケーキ」

 店頭に並んでいないケーキだが、フルーツが苦手な次女のために、バナナだけのデコレーションケーキをよく作ってもらった。田中家オリジナルケーキとなっている。


 サントアンのアニバーサリーケーキは、家族の誕生日にはもちろん、初めて迎えた婿の誕生日、初孫の誕生、次女が韓国留学から帰って来た時、主人の再就職…

 数々のアニバーサリーケーキに、我が家の思い出が詰まっていて、あの時の様子や感情を思い出す。家族を幸せに笑顔にしてくれた。


 娘たちも巣立ち、今は夫と二人暮らしだけど、これからも家族のお祝い事があれば、みんなでケーキを囲んで集まるだろう。今度はどんなケーキにしてメッセージは何にしようか。この楽しい準備の時間を心待ちにしている。


 サントアンに出会って働き始めてから18年。お客様の大切な日のお手伝いをできることに喜びを感じている。アニバーサリーケーキに込められた想いを大切にして、たくさんの方に幸せや喜びを感じてもらいたい。